オリジナルファイルからライブ用パートの書き出し
ステムミックスの書き出しのようなもの。
ライブPAさんに操作してもらえるよう、中高音のトラックと低音のトラックのステレオWAVファイルを書き出す。
ライブ中に操作をすることがないトラックはまとめて書き出し、特別にエフェクトを加えたり、ミュートなどの任意の操作をしたいトラックは個別に書き出しておく。
ドラムパッドなどで操作しないMIDIファイルもWAVで書き出しておくとCPUの負荷が抑えられる。【MIDIのWAV書き出し参考ページ】
フィンガードラムで使うドラムのトラックなどクリップのパラメーターを維持したままライブ用ファイルに引っ越すには。
この記事のように、左のフォルダから取り込みたいプロジェクトを選びデータをドラッグすればOK【参考記事】
アレンジメントビュー
アレンジメントビューで作成していたものは、そのままオートメーションも含めて頭から最後まで書き出す。
セッションビュー
セッションビューで作成していたものも同様に、まとめられるトラックはまとめて書き出しておく。
書き出しファイル例
song1-high-part.wav ←上物のシンセやドラム金物をまとめたファイル
song1-snare.wav ←特別にエフェクト操作したいファイル
song1-chorus.wav ←特別にエフェクト操作したいファイル
song1-bass.wav ←ライブ中にボリューム操作する可能性があるファイル
song1-bassdrum.wav ←ライブ中にボリューム操作する可能性があるファイル
ライブ用ファイルの作成
実際にライブで使うファイルの作成
1ファイルで完結させるため、曲を繋げたり入れ替えが自由になり、ファイルロード時間の短縮、CPUの負荷の削減が図れる。また、セッションビューにすべて並べることによって、PUSHからすべての曲の再生をコントロールできるようになる。
ライブ用ファイルの構成
1.ボーカル用のトラック
2.ギター用のトラックをまとめたグループ
3.一つの曲のバックトラックをすべてまとめたグループ × 曲数分
となり、1と2のボーカルトラックとギターグループは曲が変わっても同じトラックを使い続ける。
縦軸のシーンも1曲目、2曲目~と曲数に応じて作成する。(ひとつの曲内でシーンの展開がある場合はその分シーンを作成する)
※曲名に半角スペースを空けて”BPM 〇〇”と打ち込んでおくと、そのシーンはそのBPMで再生される。

一曲内の構成
1.ボーカル入力のトラック。入力先は”1″を、出力先は”3″を選択する。
2.ギター用グループ。出力先は”4″を選択する。
2-1.ギター入力のトラック。入力先は”2″を、出力先は”guitar”(所属するグループ名)を選択する。
2-2.ギタールーパー入力のトラック。入力先は”guitar thru”(ギター入力のトラック名)を、出力先は”guitar”(所属するグループ名)を選択し、その下の選択は”Post FX”にするここにはギター入力トラックのプラグインを通った音が入力される。(選択を”Post Pre”にするとエフェクトを通る前の音が来る)
3.一つの曲グループの中に、「中高音パート」のグループと、「低音パート」のグループがある。
「中高音パート」のグループの出力先は”1/2″を選択する。(他の曲も同じ)
「低音パート」のグループの出力先は”5/6″を選択する。(他の曲も同じ)

中高音パート、低音パートの構成
各パートに入ってるトラックの出力先は所属しているグループ名を選択する(画像では中高音なら”high-part”、低音なら”Low-part”)
入力は基本的に”no input”で切っておいていい。
シーン変更の誤操作によりクリップが止まったりしないように不要な停止ボタンは非表示にしておく。

グループごとの調整
各グループにまとめてコンプレッサーやイコライザーで調整することが可能だが、この作業はインターフェース側の「Total Mix FX」でも可能であるので、CPU負荷を低減させたい場合は「Total Mix FX」にて処置する。(Total Mix FXはPCに依存せずインターフェース本体機能で動作するため)
ただ、「Total Mix FX」で処置をすると、その出力先(1/2,3,4,5/6)対してエフェクトがかかるので、すべての曲のトラックの出力に対して同じ処置になるので、各曲で微妙にイコライジングやコンプの設定が違う場合は、Ableton側でそれぞれに処置が必要となる。
トラックが変わらないボーカルとギターは「Total Mix FX」で、曲の中高音パート、低音パートはAbletonで、という折衷案も一つの手である。
調整用とは別に、グループに”Filter”や”FreezDelay”などを設定しておいてアドリブ風にトラックを加工してフロアを煽るのもかっこいいかも。

